東京の清掃会社・鳥害対策・外壁工事会社

お掃除博士Q&A

おそうじに関するQ&Aをご紹介!!

ビルメンテナンス・清掃作業のQ&A

Q.
床の「表面洗浄」と「剥離(ハクリ)洗浄」はどう違うのですか? (床の表面洗浄と剥離洗浄)
A. 「表面洗浄」作業とは、床材の表面にコーティングされた樹脂ワックスの上に付着した汚れを、ポリシャーを使用して落とす作業で、通常は中性洗剤か弱アルカリ性洗剤を使用します。樹脂ワックスの皮膜を1~2層落とし、汚れを除去しますので、洗浄後はまた樹脂ワックスを1~2層塗ることによって元のキレイな状態にします。
樹脂ワックスは時間が経つにつれ変色したり、汚れた状態の上にワックスを塗ったりすると、次第に表面洗浄を行っても汚れが完全に除去されず、本来の光沢が得られなくなります。こうなると、床表面にコーティングされたワックス層を一旦完全に除去し、あたらしくワックス層を形成させる他ありません。この樹脂ワックス層の除去作業を「剥離洗浄」作業といいます。
剥離洗浄は「剥離剤」という強アルカリ性の洗剤を使用し、樹脂ワックスの強靭な皮膜(金属架橋といいます)を破壊し、床材を素の状態にします。その後、水や中和剤を使い剥離剤の残存成分を除去するリンス作業を行い、あたらしくワックスを3~5層塗り良好な状態にします。(最近は、リンス不要の剥離剤もあります。)尚、剥離作業は除去されたワックスにより非常に滑りやすくなりますので、特に転倒防止に注意が必要です。
Q.
床のPタイルにヒールマーク(黒い靴のすり跡)がついてしまいました。簡単に取る方法はありませんか? (ヒールマークの落とし方)
A. 1ヶ所のヒールマークを消す簡単な方法としては、砂消しゴムでこすると簡単に消えます。多くついている場合には、中性洗剤をスプレーしハンドパッドでこすって取り、雑巾などでよく水拭きしておきます。ヒールマークのつきやすい所には(通路の中央など)、ワックスを1~2枚多く塗っておっくことをお勧めします。
Q.
ラバー系(ゴム)の床材で、剥離洗浄を行ったら色が黄色くなってしまいました。 (ラバー系床材の変色)
A. ラバー系(ゴム)の床材は、アルカリ性に弱いという性質をもっています。特に色の薄いラバータイルや天然ゴムの床材などに強アルカリ性の剥離剤を使用したりすると、黄色く変色してしまう危険があります。黄変したゴム質は復旧できなくなります。
このような事態にならないようラバー系の床材には、次のような注意が必要です。
・ワックスは樹脂ワックス(アクリル樹脂ワックス)を使用しないで、「半樹脂ワックス」にする。
・剥離を行う場合には、剥離剤の濃度を薄め、アルカリ性から中性に近くする。
・または、剥離可能な中性洗剤を使用する。
・ラバー系床材へのワックスの厚塗りはしない。
・ゴム質は溶剤に溶けるので、溶剤入り洗剤も使用しない。
・施工当初の新品の場合は、ワックスの密着が悪いので、特に樹脂ワックスを使用しないで、半樹脂ワックスとする。
Q.
リノリウムの床材が使用されていますが、どのようにメンテナンスしたら良いですか? (リノリウム床材のメンテナンス)
A. リノリウムは数十年前の建物に多く使用されていましたが、一時ほとんど見られなくなり、最近外国からの輸入により床材に使用されるケースが出てきております。
リノリウムは多孔質の材料なので、水分を吸収しやすく、ワックスなどの密着性が悪く、アルカリ性の洗剤などに耐性がない、という性質をもっています。
リノリウムのメンテナンスには次のような注意が必要です。
・表面洗浄は水の多用を避け、スプレー法(スプレーによる洗剤吹き付け法)による。
・ワックスは樹脂ワックスを使用しないで、「半樹脂ワックス」にする。
・剥離を行う場合には、剥離剤の濃度を薄め、アルカリ性から中性に近くする。
・または、剥離可能な中性洗剤を使用する。
・リノリウムは溶剤にも弱いので、溶剤入り洗剤も使用しない。
Q.
石材の床が使用されていますが、ワックス掛けをした方が良いのでしょうか? (石材へのワックス塗布)
A. 結論から申しますと、石材へのワックス掛けが適当かそうでないかは、石材の使用目的や状況などにより一概に言えませんが、良い点・悪い点を踏まえて使用している場所の用途にあわせて判断すべきと思います。尚、石材へのワックスは専用の石材用ワックスを使用することをお勧めします。

【石材にワックスを塗布した場合】
・ワックスを塗布すると、石材本来の光沢や質感が損なわれてしまう。
・石材は多孔質のものが多く、液体が染み込みやすい為、ワックス塗布すると表面がコーティングされ、油やゴミ汁によるシミができにくく、拭けばきれいになる。
・御影石(花崗岩)は固い材料ですが、大理石の場合は表面が柔らかく、ゴミやホコリにより傷がつきやすい、ワックスを塗布すると表面を保護する効果がある。
・バーナー仕上げの御影石(表面がザラザラしていて光沢のない仕上げ)の場合、コンクリートのアクによる変色が起こる事があるが、ワックス塗布によりそれらを防ぐことができる。
・ワックスを塗布することにより、歩行の多い場所と少ない場所とのワックスの摩耗度合いの差がでて、全体的な均一性が日とともに失われていく場合がある。
・石材床に目地がある場合、ワックスの剥離(ワックスを除去する作業)の際、目地を傷めてしまう場合があり、高い技術が要求される。
・その他ワックスを塗布した場合は、ワックス皮膜の維持の為、バフィング(高回転ポリシャーで表面ワックスの磨き直しをする作業)などの細かいメンテナンスがある程度必要になる。

【石材にワックスを塗布しない場合】
・建材としての、石材本来の光沢や質感が利用できる。
・石材は多孔質のものが多く、液体が染み込みやすい為、油やゴミ汁によるシミができやすい。
・御影石(花崗岩)は固い材料ですが、大理石の場合は表面が柔らかく、ゴミやホコリにより傷がつきやすい。従って、玄関マットや除塵マットなどゴミやホコリを持込まない対策が十分に必要。
・大理石やテラゾは酸に弱く、普通の雨(酸性雨)でも表面を侵食することがあるので、雨天時用のマットも設置が必要。
・バーナー仕上げの御影石(表面がザラザラしていて光沢のない仕上げ法)の場合、コンクリートのアクによる変色が起こる事がある。
・日常のメンテナンスは表面の除塵、水拭き、洗剤拭き程度。
・大理石やテラゾの場合、及び目地がある場合は、酸性の洗剤は使用できない。
・石材は油の浸透性がある為、油により集塵を行うマットやダストコントロール法による油性モップなどは使用できない。

Q.
床のドライメンテナンス法とはどのような作業法ですか? (ドライメンテナンス法)
A. 弾性床材(Pタイルや塩ビ系の床材)のメンテナンスには、「ウェット方式」と「ドライ方式」があり、前者の「ウェット方式」は通常の表面洗浄と剥離洗浄の作業法を差し、月1回の表面洗浄(洗剤とポリシャーで床表面を洗い、ワックスを塗布する。)と、半年~1年おきの剥離洗浄(表面のワックス層を完全に除去し、新規にワックス層を形成させる。)による作業法です。
一方、「ドライ方式」とは、ウェット方式での定期的な表面洗浄や剥離洗浄を不要にする為に生まれた作業法で、作業時間の短縮や安全性、ランニングコスト削減のメリットがあります。尚、高濃度ワックスの固い皮膜を形成するので輝くほどの光沢と美観が得られ、デパートやコンビニエンスストアなどで多く導入されています。
反面、ドライ方式のデメリットとしては、初期の作業段階で何層ものワックス皮膜を形成させるまでの作業に非常に手間がかかり、専用の機材と高度な技術を要します。一旦強固なワックス層が完成すれば、非常に日常のメンテナンスが容易なのですが、それまでのプロセスにおいて床の使用制限や時間的な制約も生じてきます。通行人や時間制約のある店舗などでは作業員への負担が多くなります。また、ワックス層の完全剥離も強固な皮膜の為困難です。

【ドライメンテナンスの作業法】
①まず、既存のワックス層を剥離洗浄により完全に除去する。
②ウレタン系高濃度樹脂ワックス(ドライメンテナンス用ワックスとして各社の製品がある。)を使用し、4~5層の皮膜をつくる。
③その後、1日に1~2回ほどのサイクルで、高速バフマシンによるバフィング作業を行う。(バフィング作業とは、バフマシンに専用の目の細かいパッドを装着し、床ワックス表面を熱により皮膜の密着度を高め、ワックスの硬度や光沢を増す為の作業。)
④約1ヶ月くらいの期間、高濃度樹脂ワックスを数枚塗布し、翌日以降バフィング作業を行い、数日後にまたワックス塗布をし翌日以降にバフィング作業というように、連続してワックス塗布とバフィングの繰り返しでワックスの強固な初期皮膜を形成させていく。
⑤ワックスとバフィングの繰り返しのサイクルを徐々に広げていき、3ヶ月~半年くらいこの作業を継続することにより、完全な固いワックス皮膜の形成と豊かな光沢が得られる。
⑥完全なワックス皮膜が形成された後の日常作業としては、バフマシンを使用したスプレーバフ作業を行う。(スプレーバフ作業とは、バフマシンに専用の目の細かいパッドを装着し、スプレーで水や専用洗剤を床に吹きかけながらバフマシンを回していき、表面の汚れの除去と磨き直しを行う作業。)
⑦初期皮膜が形成されているので、ヒールマークが通常つきにくく、汚れも固着しずらくなっていますが、汚れや傷がワックス内部に入り込んでいる場合には、少し目の荒い赤~青パッドを使い、バフィングを行う。これによりワックス層が数層削れるので、その後また高濃度樹脂ワックスを数枚塗布しバフィングにより皮膜の形成を行う。
⑧それでも汚れが固着して美観が復元できない場合には、再度完全剥離洗浄を行い、始めの基礎皮膜の形成から改めて行う。
⑨ドライメンテナンス法は清掃管理における「予防清掃」という概念に基づいており、日頃から汚れを持込まない、汚れたらすぐ除去するという日常管理が重要で、玄関マットや除塵マットなどを設置し、日常の細めなメンテナンスを心掛けるようにします。
Q.
壁のタイル目地やコンクリートから白いシミが垂れていますが除去法はありますか? (エフロレッセンスの除去法)
A. このタイル目地やコンクリート面亀裂などから垂れる白すじは「エフロレッセンス(白華現象)」といい、コンクリートの炭酸カルシウムの成分が水分などにより染み出したものです。コンクリートの乾ききっていない建築当初や壁面に水が抜けている場合などに見られるケースがあります。
少量のエフロレッセンスの場合は、壁面を水で濡らしスチールウールやサンドペーパーにより落とす事ができます。
広範囲に大量のエフロレッセンスが出ている場合には、あまり多用することは避けたい方法ですが、酸性洗剤を使用します。
コンクリートやモルタルは弱アルカリ性で製造されており、酸にもろく、内部の鉄筋にも影響を与える為、酸性の洗剤は原則として使用しません。従ってこの場合、酸性洗剤(トイレ用のサンポールなど)を希釈して対象部分に塗布します。大抵はこれで落とせるはずです。
エフロレッセンスが落ちたら、水で良く洗い流し、アルカリ性の洗剤(マジックリンなど)の希釈液を塗布して酸性を中和させます。
尚、酸に弱い材質の為、壁の隅でテストをしてみてから行うようにしましょう。
また、石材の場合、御影石(花崗岩)には対応できる方法ですが、大理石に使用すると酸により表面が侵食されたり、光沢を失う場合がありますので注意が必要です。
Q.
コンクリートやモルタル面にできた油のシミの除去法を教えて下さい。 (コンクリート・モルタルの油汚れ)
A. コンクリートやモルタルは表面塗装やシーラー処理がされていないと吸水性があり、ゴミ汁や油汚れのシミがつきやすくなります。
従って本来コンクリートやモルタル面は、表面を保護する塗装を行なう事が好ましいのですが、表面処理のされていないコンクリートなどにシミができてしまった場合には、まずは弱アルカリ性洗剤(一般の家庭用洗剤)を使用し、パッドやブラシなどで擦ってみます。
それでも落ちない頑固な油汚れなどに対しては、アルカリ性洗剤(家庭用では台所用マジックリンなど)か、溶剤入りアルカリ性洗剤を使用し、パッドやブラシで擦ってみてください。
シミがつきやすい場所にはコンクリートシーラーなどで表面処理を行なう事をお勧めします。
Q.
鉄の扉などの塗装が劣化して白く粉状になっています。処置法はありますか? (鉄部塗装の粉化)
A. 鉄部等に塗ってある塗装は条件にもよりますが、年数を経過すると次第に光沢を失い、塗装自体が白く粉状に変化してきます。指で触って白く粉が付着するようになると、塗装としての表面保護効果は失われていると考えて下さい。
そのような場合には再塗装が理想ですが、応急処置法として次のような方法があります。
まず、中性洗剤と柔らかいスポンジを使用し、表面を洗浄します。(アルカリ性の強い洗剤や固いスポンジなどを使用して、塗装自体を落とさないようにして下さい。)
その後、水拭きをして洗剤成分を除去し、完全に乾くまで待ちます。
そして、水性ワックスを使用し(カーワックスでも可)、スポンジで円を書くように均一に薄くワックスを塗布します。
ワックスが乾いたら、乾いたタオルで乾拭きし、2~3回ワックスを塗布を繰り返します。
最後に乾いたタオルで表面を磨くと、塗装面に光沢が復活し、表面をコーティングします。
しばらくの間は、既存の塗装効果を維持できるでしょう。
Q.
床にワックスを塗りましたが、ワックスが白くなっています。どのような原因が考えられますか? (床維持剤の粉化)
A. 樹脂系の床維持剤(樹脂系ワックス)を塗った時、ワックス本来の光沢が得られず、表面が白く浮き上がってくる場合があります。これはワックスの粉化現象(パウダリング)と呼ばれ、次のような原因が考えられます。

①床材とワックスとの接着不良
表面洗浄の際、汚れをモップなどで完全に除去しないでワックスを塗ったり、洗浄後の乾燥が不十分な状態でワックスを塗ると、床材と樹脂皮膜との接着が悪くなり、乾くと粉化現状を起こす事があります。雨天時や湿度の高い日は、十分に床面を乾燥させてからワックスを塗布するようにします。

②ワックスの性能と床材との相性
樹脂系床維持剤にはアクリルやウレタン樹脂・レベリング樹脂と共に「可塑剤」(カソザイ)という成分が入っています。可塑剤は樹脂を連続した皮膜にする為に樹脂同士を結合させる成分で、この可塑剤がワックスの成分に不足していると皮膜の粉化現象が起こります。あまり粗悪な製品を使用するとこのような現象が有り得ます。
また、床材が多孔質なもの(ラバー系床材やリノリウム床材など)は樹脂成分より可塑剤の方が粒子が小さい為、可塑剤の移行が激しく、床材の小さな孔に可塑剤が吸収されてしまい、樹脂成分が残り粉化現象を起こします。このような多孔質の床材には樹脂系ワックスよりむしろ半樹脂系か水性ワックスの使用が適しています。

③低温時のワックス使用
樹脂ワックスの樹脂成分には最低造膜温度というものがあり、床表面の温度がこの最低造膜温度(約5℃くらい)より低い場合、連続した皮膜の形成ができずに粉化現象を起こす場合があります。
製品によっても差がありますが、床面の温度が低い場合の作業は避けるか、暖房などにより床面の温度を高めて作業するようにします。

④作業方法等による原因
その他、作業法の原因により洗剤成分が残っていたり、ワックス塗布後の乾燥を急激に行ったり、極端な作業法により皮膜と床材との接着が悪くなり粉化現象を起こす場合があります。
また、床材でも吸水性のあるものや可塑剤の移行の大きい材質により粉化を起こすケースもあります。

【樹脂皮膜の変色】
粉化現象とは別に、樹脂ワックスが黄色くなったりする皮膜の変色が上記の要因により起こる場合もあります。
尚、リノリウムやラバー系床材の場合、床材に配合されている成分と樹脂ワックスのアルカリ分が反応して黄色く変色を起こす場合があります。このような床材に樹脂ワックスを使用する場合、製品との相性を十分に確認してから使用するようにします。(通常、リノリウムやラバー系床材には半樹脂ワックスを使用する。)
また、月日と共にレベリング樹脂・スチレン樹脂など、樹脂ワックスの成分自体が変色する場合もあり、定期的な剥離洗浄が必要になります。
Q.
ガラスに洗っても取れない曇りや変色が起きてしまいました。対処法はありますか? (ガラスのヤケ・溶け)
A. ガラスの汚れは水溶性のものが多く、殆どは容易に落とせる汚れですが、「ヤケ」や「溶け」により落とす事ができない汚れもあります。
「ヤケ」とは、通常の洗浄によって落とす事ができる汚れを長期間放置したり、洗剤分を残しておいたりすると、ガラスのソーダ分がアルカリに変化し、空気中の炭酸ガスやアンモニアなどと反応し、ガラスが侵されていく現象です。このような状態になると除去ができない曇りとなるので、ガラスは定期的に清掃し、強アルカリ性の洗剤の使用はしないようにします。
また、強酸性の洗剤などがガラスに付着すると「溶け」という現象を生じる場合があり、これも落とす事ができない汚れとなります。外壁洗浄用の洗剤は強酸性のものもあるので、ガラス面に付着しないよう注意が必要です。
尚、熱線反射ガラスなどは表面に金属酸化膜をコーティングしてあり、小さな塵をスクイジーで擦ってしまうことにより、傷がつく場合があります。このような金属膜のガラス面では、よく除塵をした上でスクイジーを使い、研磨剤・酸性・アルカリ性の洗剤の使用はしないようにします。
Q.
弾性床材とはどのようなものですか? (弾性床材の種類)
A. 弾性床材とは大きく分けて、「塩化ビニル系」「リノリウム系」「アスファルト系」「ラバー系」の床材を差します。

【塩化ビニル系床材】
「塩化ビニル系(塩ビ系)床材」は「タイル状」のものと「シート状」のものがあり、「タイル状」のものはプラスチック系タイル、すなわち「Pタイル」と呼ばれています。塩ビ系タイルとしては以下のような分類があります。
(塩ビタイルの分類)
・半硬質ビニルアスベストタイル(半硬質VAタイル)
・軟質ビニルアスベストタイル(軟質VAタイル)
・コンポジションビニルタイル
・ホモジニアスビニルタイル
量産タイプは30センチ角のタイルで塩ビの含有量により弾力性が異なる。比較的酸やアルカリに強く耐水性もある。量的に多く普及したVAタイルであるが、アスベスト(石綿)の人体への影響の問題により、現在ではコンポジションタイルへと代わっている。尚、コンポジションで塩ビ含有量が30%以上のものをホモジニアスタイルと分類され、歩行感が柔らかく、加工方法により色彩・模様に多くのタイプがある。
特殊な塩ビタイルとして、「電導タイル」「耐酸タイル」「エンボスタイル」「電算室用タイル」などがある。
(塩ビシート)
塩ビシートは長尺もののシート床材で、様々なデザインと優れた歩行感があり、廊下などで多く使用されています。
分類はバッキング剤と表面のビニル層の厚さと加工方法により、「軽歩行用」と「重歩行用」に分けられ耐久性が異なり、表面の模様の加工方法により「メカニカルエンボス」と「ケミカルエンボス」などにより表面の凸凹を意匠的につけています。

【リノリウム系床材】
リノリウム(通常はタイル状のリノタイル)は、弾力性があり、優れた歩行感と耐久性を持った天然素材を使った床材で、現在の建築物では殆ど使用されなくなっていましたが、近年ヨーロッパなどで生産されたものが輸入され見かけるようになりました。
リノリウムは多孔質で水分を吸収しやすく、アルカリ性や溶剤に弱いという性質を持っている為、メンテナンスにはやや技術を要します。

【アスファルト系床材】
アスファルト系床材は近年殆ど見られなくなった材料で、天然アスファルトやクマロン樹脂により生成されたやや硬質の床材です。
水分には強いですが、油・アルカリ性・溶剤に弱いという性質を持ちます。

【ラバー系床材】
独特の弾力と歩行感があり、滑りにくい為、デパートやエレベーターの床などに使用される事がある。
溶剤や強アルカリ性、油類に弱く、床維持剤の皮膜が造成されにくいため、メンテナンスが難しい床材の一つといえます。
Q.
ダストコントロール作業法とはどのような作業法ですか? (ダストコントロール作業法)
A. ダストコントロール作業法とは、乾式のプレーンモップなどに油剤処理をしたもので床の除塵を行う技法で、物理的な摩擦で床のホコリを取るのではなく、油剤の吸着力によりホコリをモップに付着させる方法です。
普通のモップの水拭きと違い、力を入れずに軽く床面を移動するだけでホコリが吸着され、モップに染み込んだ鉱油成分は蒸発しないで長く持続します。
あまり大きなゴミは吸着力がありませんが、広い場所での日常清掃などに適しています。
しかし、モップの油分の定期的な補充やメンテナンスが必要で、油分に弱い床材(アスファルト系・ラバー系床材など)には使用できず、房糸を床面に放置しておくと油分が染み込んでシミになります。
Q.
新しい床のメンテナンス法を教えてください。 (床材導入時のメンテナンス)
A. 一般的な弾性床材(Pタイルなど)の導入では、タイルを下地に接着剤で貼り付ける為、この接着剤が完全に乾燥しタイルが下地に完全に接着するまでは、水を使ったりポリシャーにより物理的な力を加えたりしないように、次のような作業法をとります。

・日常清掃はほうきや掃除機による除塵を中心に行う。
・中間的作業としてはモップによる水拭きや洗剤拭きとする。
・床の表面保護をする場合には、水性ワックスを1~2枚程度とし、剥離が容易な状態にしておく。
・コンポジションタイルは約1~2週間、ホモジニアスタイルは1~2ヶ月は、接着剤が安定しないので上記のような方法をとるようにする。
Q.
カーペットのクリーニング法にはどのような方法がありますか? (カーペットのクリーニング法)
A. カーペットのクリーニング法の詳細やシミの取り方は「カーペットのおそうじ法」で記載しておりますが、代表的なカーペットクリーニング法は以下の通りです。

【日常のメンテナンス】
①表面的なゴミやホコリはカーペットスイーパーにより除去する。
②カーペットスイーパーで除去できないパイル内のゴミやホコリは、真空掃除機を使用して除去する。
③繊維内に入り込んだ繊維くず、糸くず、土ホコリなどは、アップライト型真空掃除機を使用する。
④または、パウダー状の専用洗剤(又は前処理剤)や木粉などをカーペット上にまき、パウダーマシンにより汚れを除去する。その後、掃除機により残りのパウダーや汚れを吸い取る。

【定期的なメンテナンス】
スクラバー洗浄方式
 専用のタンク付ポリシャーにカーペットシャンプー洗剤を入れ、ブラシで泡を作りながら洗浄する方式。泡はエクストラクターを使用してすすぎ、回収します。
この方式は洗浄力が高く、カーペットクリーニングの主流と言える方式ですが、化学繊維系のタフテッドカーペットやニードルパンチカーペットの洗浄に適しています。純毛系のウィルトンカーペットの洗浄に使うと毛の縮みを起こす危険があります。
ドライフォーム方式
 ローラーブラシ洗浄機を使い、洗浄機内で発泡した泡でブラッシングする方式。
泡による洗浄法なので、多量の水を使用せず、純毛のウィルトンカーペットの洗浄などに適しています。
エクストラクター方式
 エクストラクター洗浄機により、洗剤を直接カーペットに噴射し、同時に洗剤分を吸引機で回収する機械による方式。多量の水分を使うので、純毛など縮みをおこす恐れのあるカーペットには適さない方式。
スチーム方式
 スチーム洗浄機を使い、高温蒸気(スチーム)をカーペットに噴射して洗浄する方式。水分は同時に吸引する。
この方式は高温によりカーペットの殺菌効果もあり、最近見られるようになった方式。水分を使うので、純毛など縮みを起こす恐れのあるカーペットには適さない。
バフィングパッド方式
 綿や合成繊維でできたパッドをポリシャーに装着し、カーペット上を回転させ汚れを除去する方式。
まず、洗剤をパッドとカーペットにスプレーし汚れを擦り取り、パッドが汚れたら交換する。数枚のパッドが必要。
軽度な汚れに適する。

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