キッチンのおそうじ法をご紹介!!
キッチンの汚れは、換気扇付近やレンジまわりの油汚れと、シンクまわりの食物系の汚れと水垢・カビ等が中心です。 日頃の食器洗いの時からシンクまわりとタイルを簡単に拭き取っておくと、汚れの蓄積具合が断然違います。
ここでは、汚れきってしまったキッチンをきれいにするハウスクリーニング技法の一つを紹介します。
※ハウスクリーニングで使用する洗剤の種類については、「ハウスクリーニングのおそうじ道具」(ハウスクリーニングで使用する洗剤等)を参照ください。
高い場所にあって、最大の汚れの蓄積場所である換気扇・レンジフードから始めます。方法は「つけ置き洗い法」が最良です。
使用する洗剤は、油汚れに効果を発揮する「アルカリ性洗剤」(マジックリンや油汚れ用クリーナー)です。(建材・機材が未塗装金属やコンクリートの場合には「溶剤入りアルカリ性洗剤」も可。臭いが気にならなければ「灯油」も油の溶解に威力を発揮します。)
まず、モーター・電気部以外のファンやフィルター金具、ネジ類をすべて外します。大きなプラスチック製の箱か、水止めできるシンク、又はシンクにポリ袋を広げ水(できれば40度くらいのお湯がベスト)を張ります。 水(お湯)の分量に対し洗剤を注いで洗剤水溶液を作りますが、洗剤の濃度は通常50~100倍で使用するようにできています。 ここで最も注意が必要なのは、塗装した金属の場合、アルカリ性洗剤により塗装が剥げる場合がありますので、濃度の調節が必要です。
つけ置きは1~2時間程行い、浮いた汚れをスポンジかパッドにより水溶液の中に落とします。 大抵の汚れは落ちるはずですが、汚れが残った場合には、洗剤をスプレーしスポンジ・ブラシ等ですばやくこすり落とします。(塗装の剥げに注意!) 最後によく水洗いを行い、乾かします。
次に、つけ置き洗いができないフードまわりの汚れですが、「湿布法」を紹介します。
まず、フードの内側や外せない部分にこびり付いた油汚れは可能な限り、スクレバー(へら)でこそげ落とします。(傷がつかないように注意!) そして、対象の部分にクッキングペーパーやティッシュペーパーを貼り付け、アルカリ性洗剤をスプレーします。(塗装面の場合は薄めてスプレー) 数10分程度湿布したら、ペーパーで浮いた汚れを拭い取ります。 残りの汚れはスポンジとアルカリ性洗剤またはクリームクレンザー等を使い完全に落とします。 仕上に水拭きを数回行うことを忘れないで下さい。 最後に乾いたタオルで拭き上げると洗剤のスジが残らず、大変きれいに仕上がります。
頑固な汚れに対しては、強力な洗剤と共に「時間」も大きな武器になるのです。
また、汚れをつきにくくする方法として、洗った換気扇にワックスを塗っておくと後々お掃除が楽です。
すべての汚れに対して言えることですが、台所の汚れには汚れの質と段階があり、それぞれ適応した洗剤を使用すべきです。必要以上に強い洗剤を使うと建材に害を及ぼすからです。
油汚れに対する洗剤は汚れの弱い順に、「中性洗剤」→「弱アルカリ洗剤」→「クリームクレンザー」→「アルカリ洗剤」と使っていきます。強い洗剤に行く程、油の溶解力が強くなりますが、洗剤残りや建材への傷みを伴います。
つけ置き洗い法
湿布法
レンジもしつこい汚れがこびり付いています。特にレンジの受け皿や五徳(やかん、フライパンを乗せる黒い台)は汚れが熱で焦げついているのでやっかいです。
換気扇と同様に「つけ置き洗い法」により汚れを浮き上がらせる方法が良いでしょう。 汚れは歯ブラシ、金属ブラシ等で落とします。ただし、ステンレス等の金属の場合は金属でこすると傷がつくので、スポンジで落とした方がベターです。
また、ガスレンジ換気扇まわりには頑固な油汚れが他にもついていますので、先ほどの「つけ置き洗い法」、「湿布法」を併用して落とすと頑固な汚れもよく落ちるでしょう。
油汚れのそれほどひどくない壁面や棚の扉などは、弱アルカリ性洗剤を使用します。ぞうきんに洗剤をスプレーし拭き上げるだけでも汚れは落ちると思います。落ちない汚れにはクリームクレンザーや弱アルカリ洗剤をスポンジやパッドにつけて、水を加えてこすることにより落とします。この中程度の汚れの部分にとって最も大切なのは仕上げです。洗剤で扉などを拭いた後、乾くと洗剤を拭いた跡が線になると、とてもキレイになったとは言えません。洗剤を使った後は必ず固く絞った濡れぞうきんで2・3度洗剤を拭き上げ、最後に乾いたぞうきんで水分を完全に拭き取る事が洗剤を使用するお掃除の基本と言えるでしょう。洗剤分は汚れと一緒に除去されなければならないのです。また、水分が比較的使える壁面、カウンターなどは、クリームクレンザーとスポンジで汚れを水洗いするときれいになります。
大理石を使用しているキッチンで固着した汚れがある場合には、目の細かい耐水性サンドペーパーを使用する場合もあります。
大変汚れた台所のシンクには、大抵ヌルッとした状態、つまりカビが発生しています。またシンクに使われるステンレスやホーローはあまり目の粗い素材でこすると傷がつき、輝きを失いますので、シンクの汚れにはクリームクレンザーとスポンジを使用してみます。汚れのひどい部分にはスチールウールでこすると大抵きれいになります。
シンク内の三角コーナーや排水トラップ、ゴミ受けカゴ、菊割ゴムなどのヌメリは、ポリバケツなどに集め、漂白剤をまんべんなくかけます。 数10分経って水で流すとヌメリや汚れはきれいに落ちているはずです。残った汚れは洗剤と歯ブラシ等で落としやすくなっています。
塩素系漂白剤の使用にあたっては、基本的にステンレスは強アルカリや酸に耐性がないので、塩素系漂白剤を多量に長時間使うと錆びや曇りを発生させる場合があります。 汚れの落ちは大変良いですが、何時間もつけ置きする事は避け、素材によって使い分けてください。
「カビ」に効く塩素系漂白剤で有名な「カビキラー」の威力(業務用カビキラーを使って実践)「カビ」で黒ずんだステンレスシンクの洗浄を紹介します
洗浄前のシンク
カビキラーふきかけ!
ゴムも籠もキュッキュッ
菊割ゴムもカビだらけ
カビキラーふきかけ!
排水口もスッキリ
ゴミ受籠はカビの楽園
カビキラーふきかけ!
シンクもピカピカ
触るとヌメっとします
シンクは軽く擦ります
気持ちいいです
シンク下や棚の中はカビが発生しているケースが多く、独特の臭いを放っています。そのような場合には、まず弱アルカリ性洗剤で汚れを落とした後に、塩素系漂白剤を溶かした液をスポンジなどで塗ります。 その後絞った濡れぞうきんで拭き上げれば、除菌・消毒・消臭の効果があります。 さらにエタノールがあればタオルに染み込ませて拭けば、臭いは完全に取れるでしょう。しばらく扉を開けておき、乾燥させておくことを忘れずにしましょう。
棚・キャビネットは塗装の木材を使用している場合が多く、強いアルカリ洗剤と固いものでこすると塗装が剥げますので注意してください。
プラスチックは傷がつきやすいので、パッド等でこすると傷になり、きれいに仕上がりません。 外すことのできるプラスチック部分は可能であれば、塩素系漂白剤を溶かした溶液に浸しておく方法が良いでしょう。 汚れのひどい部分にはアルカリ性洗剤の湿布法などで、極力こする事のない方法にて汚れを落とします。 こする場合はスポンジなど柔らかいものでこするようにします。
尚、一部のプラスチック製品は、塩素系漂白剤を直接使用するとシミになる場合がありますので、薄めて使うか、試し吹きをしてから使用すると安心です。
台所のお掃除の仕上として、蛇口やバルブ類の「光る部分」の掃除です。 お掃除のコツとして、この光る部分を必ず光らせることが基本中の基本と言えます。
蛇口やバルブなどのステンレス部分は最後にシンクの仕上と一緒にクレンザーとスポンジ・パッドなどで磨き、水で流します。入り組んだ部分は歯ブラシにクレンザーをつけて磨きます。 最後に乾拭きすると、とてもきれいな仕上がりになります。
ステンレスは、研磨剤の多い洗剤や荒いパッドなどでこすると、その時はきれいになりますが、細かい傷がつく為、かえって汚れがつきやすくなりますので、できるだけ柔らかい材料で磨くようにしましょう。
キッチンはお部屋内で、お風呂場に次いでカビの生えやすい場所です。 カビについてのお掃除法は「カビの取り方・予防法」でも詳しく記載していますが、キッチンのカビの除去と予防法について紹介します。
キッチン廻りも浴室に勝るとも劣らないカビの楽園。 料理により高温多湿になりやすく、何といってもカビの栄養源が豊富です。
キッチンの中でも特にカビが繁殖しやすい場所としては、まず、シンクの三角コーナー。 生ごみや油カスがカビの格好の栄養分となり湿気も保たれていて、黒ずみやヌルヌルは間違いなくカビでしょう。
続いてカビが繁殖しやすいのは、流しの下の収納棚。 湿気も多く、調味料などの液だれの付着がカビを繁殖させます。
そして以外に見落としがちなのが冷蔵庫のカビです。 温度の低い冷蔵庫はカビが生えないと思う方もいますが、カビは前述したように0℃~50℃の範囲で活動できます。 低温な為カビの繁殖するスピードは遅いのですが、やはり食物をストックしている場所であり、カビの欲する栄養分は十分な環境です。
キッチンのカビの除去法は、浴室と同様に「次亜塩素酸ナトリウム」が含まれている漂白剤による洗浄が最も効果的です。(キッチンハイターが代表的な塩素系漂白剤ですが、浴室のカビ取り剤同様にスプレー式のカビ取り剤も市販されています。)
まず、はじめにキッチンのすべての小物を漂白液につけ置く作業から行うとよいでしょう。 大き目のオケ(冷蔵庫内のカビ取りを同時実施する場合は冷蔵庫の野菜トレーなど)に水を張り、塩素系漂白剤を決められた濃度で加えます。 その水溶液の中に冷蔵庫内の小物や台所の小物を漬け込んでおきます。(30分~1時間程度) カビのひどい物にはスプレー式のカビ取り剤を使用するとより効果的でしょう。シンク内や流しの排水口周り、排水トラップ(排水口の中にある椀型の蓋)などはスプレー式のカビ取り剤を直接スプレーし数十分放置し、その後クリームクレンザーで磨くとカビも取れ、ピカピカになるでしょう。
棚や冷蔵庫内のカビには、塩素系漂白剤の液をしみこませた雑巾で拭き上げ、汚れの洗浄と殺菌を同時に行います。カビ以外の汚れには台所用洗剤を併用します。 カラ拭きも忘れずに。
冷蔵庫内のカビ取りで忘れてはならないのはドアパッキンのカビ取り、カビの胞子は少しでも残っていると狭い冷蔵庫内はただちにカビの繁殖の原因となります。パッキンの細かい隙間まで念入りに拭き上げましょう。
冷蔵庫内は隅々まで漂白剤によるカビと汚れの清掃を行ったら、パッキンも含め「消毒用エタノール」などにより庫内の殺菌処理を行っておくべきでしょう。残ったカビの胞子を取り除き、カビの予防にもつながります。 もちろん冷蔵庫以外のカビの生えやすい場所にも殺菌処理を行っておくとよいでしょう。
カビや汚れを拭き上げた雑巾にはカビの胞子が大量に付着しています。他の場所でそのまま使用するとカビの胞子を移すことになりますので、こまめに洗いながら使うように心がけてください。
また、キッチンには頑固な油汚れも混在しているためカビ取り作業とは別に強アルカリ洗剤等による油汚れの除去も進めなければなりません。 汚れに対応した洗剤を適切に使用するテクニックが必要です。
浴室のカビ取りでも述べていますが、カビの3大発生要因に対し、カビの予防の3原則は、
① 乾燥させる
② 低温にする
③ 栄養を絶つ
です。
カビの胞子はいつでもやって来るので、カビを繁殖させない為の対策が必要です。
まず、カビを繁殖させない為の最も基本的な方法は「換気」です。
換気により空気の流れを作ることにより、停滞している空気の湿度を下げる効果があります。台所の場合は、浴室に比べると密閉された空間ではありませんが、流し下の収納棚などは空気の流れがなく湿気がこもります。 カビ取り清掃後は完全に乾かしてから収納することと、定期的に扉を開けて空気を入れ替えるなどの気配りがカビの予防につながります。 扇風機などを使って強制的にキッチンの換気を行うのも手でしょう。
また、キッチンは最も水を使用する場所です。 常に水で濡れた状態であることが多く、水廻りの水分をこまめに拭くだけでもカビ予防に大きな効果があります。「水分を残さない」ことがポイントです。
そして、キッチンのカビの繁殖環境を大きく左右するのがカビの栄養分、つまり食べ物やゴミの管理です。
キッチンは料理を作るところなので、汚れの殆どがカビの最も好む食物による汚れです。 金属に生えるカビは金属に付着した汚れに生えているものと考えてください。 つまり「汚れと生ゴミは放置しない」ことが重要です。
以上の予防策を基本に、日ごろからできるキッチンのカビ対策としては浴室のカビ予防策で述べている方法に基本的に準じますが、料理中や炊事中、お皿洗いなどのときは換気扇を回すようにしましょう。 除湿機も有効的に利用するとよいでしょう。
また、「日ごろから殺菌を行っておく」対策が大変効果的です。
一般的に薬局などで売られている殺菌剤としては、「消毒用エタノール」や「次亜塩素酸ナトリウム」があります。
消毒用エタノールはスプレーボトルなどに入れて、壁面や天井、カビが特に発生しやすい場所にまんべんなくスプレーするだけで効果的です。 ただし、汚れがある場合には浴室用洗剤で汚れを落としてから殺菌処理を行うようにします。
一方の次亜塩素酸ナトリウムはカビ取り剤としても絶大な効果があるものですが、予防のための殺菌剤としても利用できます。 ただし、市販の溶液でも非常に強い効用があるので規定の濃度に希釈し、正しい方法で使用するようにしてください。 消毒後は若干塩素臭が残るので、匂いが気になる方は避けたほうがよいでしょう。
最近では除菌もできる食器洗い洗剤も登場し、数多くのカビ対策洗剤が市販されています。